ダンタリアンの書架三話
ヒューイとダリアンは、街の書店で、ヒューイの友達であるカミラに出会う。カミラに誘われ、カミラの別荘を訪れる。
その別荘で、カミラから面白い話を聞く。カミラの友達で私塾をひらいた人のが、頭が良くなる原書を手に入れたらしい。そして、それを、塾の子どもたちに読ませたところ、考え方も性格も、数日で変化し、急に頭が良くなってしまったらしい。
ダリアンは、それを本物の原書、叡智の書であると判断する。叡智の書は、完全なる叡智を授け、その者が望めば、人を支配することも、世界を滅ぼすこともできるものらしい。
そのような危険な書物が巷に出回っているというのに、ダリアンは焦った様子がない。
対して、早く回収しなければと焦るヒューイ。
そこで、ヒューイとダリアンは、その友達の元を訪れ、叡智の書を読んだ子どもたちに出会う。
その子どもたちは、秘密とされているはずの、ダリアンがダンタリアンの書架の管理人であり、ヒューイがその鍵守であることを知っていた。なぜかと、疑問をもつヒューイ。子どもたちは、六次の隔たりという論理により説明する。
ヒューイは、人間以上の知識をもつ子どもたちに、何をするつもりなのかと問う。それに対して、子どのたちは、「何も」と答える。その知識を使って、人類を支配することも何もしない。やろうと思えば、簡単にできるが、人類を支配しても何のメリットもないからやらないと。ヒューイは不思議に思う。
ダリアンはこの事と、自分が巷に原書があるにもかかわらず焦らなかった理由と共に説明する。というのは、本当に頭のいい子ならば、物事に挑戦する前に、失敗する確率の方が高いことが分かってしまうからというものだった。
人は、叡智を求める。しかし、手に入れたら、何もしなくなる。もしかしたら、何かを手に入れようと奮闘するときが一番楽しい時間なのかもしれない。