ダンタリアンの書架一話

ヒューイは、死んだビブリオマニアだった祖父が残した屋敷を訪れる。しかし、屋敷には本が一冊も無かった。不思議に思っていると、屋敷の中で、埃が付いていない部分があった。それを辿っていった先の地下室で、ヒューイは、屋敷中全ての本と、一人の人形のような少女と出会う。少女の名前は、ダリアン。
ヒューイが屋敷を訪れた目的は、ダンタリアンの書架を探し当てるという祖父の遺言を果たすためだった。ダンタリアンとは無数の本をもち、知識をつかさどる悪魔のことである。そして、ダリアンは、壺中天のように無尽蔵に知識を蓄えることのできる図書館がダンタリアンの書架だと言う。
ヒューイは、祖父の死の真相を明らかにするため、祖父を殺したと噂されるコンラットの屋敷に泊まることとなる。案内人に連れられ、コンラットの屋敷に着いてみると、そこには、無数の死体があった。ヒューイに襲いかかってくるのは、サーカスに登場する、ライオンやナイフ投げの男。そして、それらを倒してみると、それは絵の具だった。その登場人物たちは、原書と呼ばれる本から出てきたものだったのだ。原書は正しい者がもてば、その者に恩恵を与えるが、正しくない者が持てば、災いが降りかかると。そして、その本を封印しておくのがダンタリアンの書架。正当な持ち主でないコンラットがその本を読んだため、コンラットに災いが降りかかり、屋敷中の人間が全員殺された。
本とそれを求める人間は互いに引かれあう。実際に、この物語のようなことは起こるわけはないが、本とそれを求める人間の関係というものは、現在でも同じように考えることができるように思う。現在において、同じ本は何万冊も存在する。したがって、同じ本を読む人間は何万人もいる。しかし、その本を読んで何を思うかは人それぞれである。本とその読み手の心が合致したとき、その本が読み手に多くの恩恵を与えるということは現在でもあるように思う。

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